定期借地権設定契約約款の概要(一般定期借地権・住宅用)
|
本契約約款は、借地借家法第22条(一般定期借地権)に基づく、住宅を前提に構成されている。定期借地権設定契約書等は後記のとおりであるが、全体の構成及び契約書等の概要は次のとおりである。
|
| 1. |
全体の構成について |
|
(1)
|
戸建住宅の場合は、
- 土地所有者と住宅購入者が直接に定期借地権設定契約を行う方式
- 土地所有者と事業者が一旦定期借地権設定契約を行い、その後、住宅購入者に譲渡する方式の2種類の方式を想定し、2.の場合は、土地所有者と住宅購入者との間で、別途定期借地権に関する確認書を取り交わすこととしている。
|
|
(2)
|
集合住宅の場合は、(1)2.の方式を想定し、土地所有者と住宅購入者との間で、別途定期借地権に関する確認書を取り交わすこととしている。
|
|
(3)
|
また、借地権の内容としては、賃借権方式及び地上権方式を想定している。
|
|
(4)
|
各契約書に掲げた主な規定を、時間の流れを追って示すと次のとおりである。
(借地契約の開始)
○ 建物の建築義務
○ 敷金等の支払
○ 登記、公正証書等
(借地期間中の関係)
○ 建物の維持管理
○ 賃料(地代)の支払
○ 建物の増改築等
○ 借地権の譲渡・転貸
○ 土地(底地)の譲渡
○ 契約の解除(地上権の消滅)
(借地期間の満了)
○ 原状回復(建物の無償譲渡の特約)
|
| 2. |
定期借地権設定契約書(戸建住宅・賃借権)について |
|
(1)
|
借地人による建築物の建築義務及び借地権の存続期間中は建物を良好に維持する義務を規定している。(第2条)
|
|
(2)
|
土地の賃料改定は、一定期間ごとに純賃料を消費者物価指数に連動させて改定するという考え方を採用している。(第4条)
|
|
(3)
|
契約時点で支払われる一時金は、敷金の授受を標準とし、特約として、いわゆる保証金を授受する場合の規定を示している。また、敷金は、賃料の改定に伴い変動することとしている。保証金は、その額が比較的多額であることに鑑み、保証金返還請求権を担保するため、土地所有権に抵当権を設定することとしている。(第5条)
|
|
(4)
|
建物の増改築・再築は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしている。(第6条) |
|
(5)
|
土地を譲渡する場合はあらかじめ借地人に通知して行うこととしている。(第8条) |
|
(6)
|
契約終了時は借地人による原状回復を基本とするが、特約として、契約期間満了時において土地所有者は建物の無償譲渡を請求できることとしている。(第10条)
|
| 3. |
定期借地権設定契約書(戸建住宅・地上権)について |
|
(1)
|
契約時点で支払われる一時金は、権利金、敷金を想定している。(第4条、第6条) |
|
(2)
|
借地権の譲渡は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしている。(第8条) |
|
(3)
|
借地人が地代の支払を2年以上怠ったときは、地上権の消滅請求をすることができることとしている。これは、民法第266条により準用される第276条の規定と同趣旨を定めているものである。(第10条)
|
| 4. |
定期借地権契約に関する確認書(戸建住宅・賃借権)について |
|
定期借地権設定契約書(戸建住宅・賃借権)の内容を確認したものである。
|
| 5. |
定期借地権契約に関する確認書(戸建住宅・地上権)について |
|
定期借地権設定契約書(戸建住宅・地上権)の内容を確認したものである。
|
| 6. |
定期借地権設定契約書(集合住宅・賃借権)について
(以下、6.から9.については、戸建住宅と同じ事項は、省略している。) |
|
(1)
|
契約時点で支払われる一時金としては、敷金の授受を標準とし、特約として、権利金を授受する場合の規定を示している。(第5条) |
|
(2)
|
建物の増改築は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしているが、建物の共用部分の共有持分又は借地権の準共有持分に変更を生じるときは、土地所有者の承諾を得ることとしている。(第6条)
これは、これらの変更が賃料債権の金額に影響を及ぼすためである。 |
|
(3)
|
土地所有者は、事業者が区分された建物部分(以下「専有部分」という。)を譲渡する場合に、譲渡を受ける第三者(以下「区分所有者」という。)が契約書に定める契約条件を承諾し、かつ、賃料の支払を3ヶ月以上怠ったとき又は土地所有者に無断で借地権の準共有持分を譲渡したときは、土地所有者が区分所有者の所有する専有部分を自己に帰属させることを請求できる旨の契約条件に承諾する場合には、譲渡を承諾しなければならないこととしている。
これは、土地所有者と事業者間のこの契約条件が債権的特約と解されるおそれがあるため、区分所有者がこの契約条件を承継したことを承諾する必要があるためである。なお、専有部分の帰属請求を契約条件として定める趣旨は、7.(3)のとおりである。
また、事業者が第三者に譲渡する借地権の準共有持分割合は、専有部分の床面積の割合により定めることとしている。(第7条)
|
| 7. |
定期借地権契約に関する確認書(集合住宅・賃借権)について
|
| 集合住宅の場合の確認書は戸建住宅の場合とは異なり、単なる確認書ではなく一種の契約としての意味を持つ文書となる。 |
|
(1)
|
土地の賃料は、区分所有者が土地全体の賃料のうち借地権の準共有持分に対応する割合の金額を負担することとしている。(第4条)敷金も同様の考え方である。(第5条) |
|
(2)
|
建物の増改築は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしているが、建物の共用部分の共有持分又は借地権の準共有持分に変更を生じるときは、土地所有者の承諾を得ることとしている。(第6条)
これは、これらの変更が賃料債権の金額に影響を及ぼすためである。
|
|
(3)
|
区分所有者が賃料の支払を3ヶ月以上怠ったとき又は土地所有者に無断で借地権の準共有持分を譲渡した場合は、土地所有者はその区分所有者の専有部分を自己に帰属させることを請求できることとしている。
定期借地権設定契約は一つの契約であり、その借地権の準共有持分が区分所有者に帰属しており、したがって、一部の区分所有者が賃料の滞納をしたときに、定期借地契約を解除することは認めるべきではない。このような場合は、土地所有者の請求により区分所有者の専有部分を帰属させ、専有部分の価額と未払賃料等とを清算することが適当である。(第9条) |
|
(4)
|
契約期間満了時は、区分所有者全体の責任による原状回復を基本とするが、特約として、契約期間満了時において土地所有者は建物の無償譲渡を請求できることとしている。(第10条)
|
| 8. |
定期借地権設定契約書(集合住宅・地上権)について |
|
(1)
|
契約時点で支払われる一時金としては、権利金、敷金の授受を標準としている。(第4条、第6条) |
|
(2)
|
建物の増改築は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしているが、建物の共用部分の共有持分又は借地権の準共有持分に変更を生じるときは、土地所有者の承諾を得ることとしている。(第7条)
これは、これらの変更が地代債権の金額に影響を及ぼすためである。 |
|
(3)
|
借地権の譲渡は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしている。(第8条) |
|
(4)
|
借地人が地代の支払を2年以上怠ったときは、地上権の消滅請求をすることができることとしている。これは、民法第266条により準用される第276条の規定と同趣旨を定めているものである。(第10条)
|
| 9. |
定期借地権契約に関する確認書(集合住宅・地上権)について |
|
(1)
|
土地の地代は、区分所有者が土地全体の地代のうち借地権の準共有持分に対応する割合の金額を負担することとしている。(第4条) 敷金も同様の考え方である。(第5条) |
|
(2)
|
建物の増改築は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしているが、建物の共用部分の共有持分又は借地権の準共有持分に変更を生じるときは、土地所有者の承諾を得ることとしている。(第6条)これは、これらの変更が地代債権の金額に影響を及ぼすためである。 |
|
(3)
|
借地権の譲渡は、あらかじめ土地所有者への通知を要することとしている。(第7条) |
|
(4)
|
区分所有者が地代の支払を2年以上怠ったときは、土地所有者はその区分所有者の専有部分を自己に帰属させることを請求できることとしている。定期借地権設定契約は一つの契約であり、その借地権の準共有持分が区分所有者に帰属しており、したがって、一部の区分所有者が地代の滞納をしたときに、定期借地契約を解除することは認めるべきではない。このような場合は、土地所有者の請求により区分所有者の専有部分を帰属させ、専有部分の価額と未払地代等とを清算することが適当である。これは、7.(3)に記述した考え方と同じである。(第9条) |
|
(5)
|
契約期間満了時は、区分所有者全体の責任による原状回復を基本とするが、特約として、契約期間満了時において土地所有者は建物の無償譲渡を請求できることとしている。(第10条)
|